intuosとBAMBOO比較、どう違うのか?どっちを買うべきか?

昨日intuos4のペンをバラバラに破壊し、
新しいペンが到着するまでの三日間の穴埋めに、
量販店でBAMBOOを購入してきました。
せっかく2つを使えることになったので、
パソコンで絵を描きはじめる人が一番最初にぶつかる壁、
「intuosとBAMBOO、どっちを買ったほうがいいの?」
な疑問に答えるべく、比較をしてみた。

まず注意してほしいのは、今回比べるのは
2009年に購入したintuos4(ミディアムサイズ)と
2013年に購入した、BAMBOO(ミディアムサイズ)という
現行モデル同士の比較では無いこと。
あと、ちょっと使ってみた感想だということ。
調査不足などあると思うので、ご指摘あれば教えてください。

とりあえず先に結論。
絵で仕事をする(締め切りがある)人はintuos
趣味で絵を描く人はBAMBOO

描き味
まず最初に気になるのはやっぱりここだと思う。
intuosとBAMBOO迷う人は価格の違いはやはり描き味なのだろうと思うだろう。
BAMBOOは筆圧レベルは1024。
intuosの筆圧レベルは2048。
二倍の差がある。
個人的に、intuosを普段使っていてBAMBOOを使った時
「あ、段階が全然足りない!」
と感じた。たしかにintuosのほうが筆圧の感知がなめらかで、繊細な入り抜きができる。
圧倒的にintuosの筆圧感知のほうが繊細で描きやすい!と私は感じる。
が、私の友人は言う
「どっちもほとんど変わらない」と。
つまり、人によっては感じないくらいの差のようだ。
私もBAMBOO一時間使っていたら、筆圧レベルの違いには慣れた。
出来上がった絵の品質もintuosで描いたものと遜色ない。
よく考えたら昔のintuosは筆圧レベル1024だったんですよ。あの頃も普通に絵を描いてたよ。
よっぽど、繊細な、1ピクセルを争うような絵を描くのではない限り、
この描き味の違いだけではあの価格差の価値は無い。
絵の出来にも影響しない。
偉い人はいいました。道具の優劣が成果物の出来を決めるのではない、人の腕が決めるのだと。(今いいこと言ったよ!)
まあ、個人差があるようなので、どうしても、という人は店頭で試し描きしてみるのがいいと思う。Intuosのほうが筆圧感知優れているのは事実だし。

作業効率
ではintuosはBAMBOOに何が優れているのか?
それは圧倒的な作業効率の良さだと私は思う。
まず、詳細設定で設定できる項目が、圧倒的にintuosのほうが多い。
たとえば、私はデュアルモニタ(モニタを二台並べて使用)で作業しているのだが
この場合、絵を描く時にタブレットの作画領域を「縦横比を維持」したまま使用すると
タブレットのごく一部しか使えなくなる。

tab1

こんなかんじ。
これだとまったくもってもったいない上、描きにくい。
なので、ペイントソフトだけ、片方のモニタにマッピングするという方法を
intuosではとっていたのだけど、BAMBOOではアプリケーションごとの設定ができない。
デュアルモニタ使いには致命的。
他、ペンの描き味の設定等も、intuosのほうが多彩。
自分仕様に設定し、効率をあげる場合に有効。
intuosは詳細設定をいじることによって、痒い所に手が届くようになっている。
あとなんといっても、Intuosの魅力はショートカットキー。(正式名称はファンクションキー)
本体横についてるアレ。
あれが価格の30%くらいの価値があると思っていい。
これを活用することによって、効率が30%くらい上がる。
BAMBOOにも、高いほうのモデルにはショートカットキーがついているが、
Intuosより数が少ない上、アプリケーションごとの設定ができないため、
複数のソフトを使って絵を描いている私のような人間には使いづらい。
BAMBOO最廉価版はショートカットキーついてさえいない。
上記理由により、intuosはBAMBOOより、作業効率が大変良いモデルと言える。
生活の糧として絵を描く者にとっては、作業効率のアップはそのまま収入のアップに直結するため、この差はあの価格差を埋めてお釣りが来るくらいの価値がある。
対して、趣味で絵を描く場合は、納得いくまで、じっくり一枚に時間をかけて描くことがほとんどでは無いだろうか?趣味に効率など必要無い。
そのため、あの価格差をintuosに支払うのはもったいない。

オプションパーツ
intuosの魅力のもう一つの点として、オプションパーツの豊富さがある。
特にペン先の豊富さは人によってはたまらないらしい。
フェルトペンとか新しい世界が開けます。
こういうのも資金があって、自分仕様にカスタマイズしたい人には価値があるのでは無いだろうか?
あと、業務用としてBAMBOOを使うのに致命的なのは
オーバーレイシートを取り替えられないこと。
私のように筆圧が高くて一日中パソコンで絵を描いている奴は、
オーバーレイシートが一年ちょっとで摩耗して傷だらけになり、ペン入力に支障をきたす。
その時、取り換えられなかったら本体ごと買い換えるしかないじゃないですか。
いくらBAMBOOがintuosの半分以下の値段だとしても、それはちょっと厳しい。
そんなわけで、私のような人はintuosのほうがむしろコスパがいい。
一日数時間絵を描くだけだったり、そもそも筆圧が低い人にはそういう問題はおこらないらしいので、気にしなくてもいい。
私の姉など、筆圧が低いのでここ5年くらいで芯を一回変えたくらいらしい。
羨ましすぎる。

コンパクトさ
BAMBOOはコンパクトさにおいてはIntuosより断然優れている。
同じミディアムサイズでもBAMBOOのほうがかなりコンパクト。
持ち運ぶのにはとっても便利。重量もとっても軽い。
出先で絵を描きたい人や、パソコン机の上のスペースが小さい人にはこれはかなりありがたい。
私は今回買ったBAMBOOは、Intuosがもしもの時の補欠要員&旅行先での作業用に使おうと思っている。

疲れにくさ
ペンの握りやすさとか、腕への負担とか、ちょっとしたところでIntuosは負担が低い。
ウェブページの説明によれば人間工学に基いてうんたら…
ぶっちゃけ数時間絵を描くだけだとBAMBOOでもまったくもって変わらないんですが、
毎日毎日、一日10時間以上ペンをにぎって絵を描いていると
ちょっとした手への負担が溜まり溜まって腱鞘炎や肩こりにつながるので
絵で仕事をする、長時間使用する人にはIntuosがおすすめ。
腱鞘炎とか、なったことないわ~て人にはまったく価値が無い話なので気にしなくてOK

まとめると

BAMBOOをおすすめな人
・趣味で絵を描くのに使用するので、作業効率とか必要ない
・ショートカットキーとか使わない
・詳細設定いじる習慣が無い
・筆圧が低いので、オーバーレイシートが摩耗しない
・デュアルモニタしない
・作業スペースが狭い

Intuosがおすすめな人
・仕事で絵を描くので、作業効率をアップしたい
・ショートカットキーめっちゃ使う
・自分仕様に何事もカスタマイズするのが好き
・筆圧高い
・デュアルモニタで作業している
・作業スペースは十分確保できる
・一日のほとんどの時間ペンをにぎってる。腱鞘炎と肩こりはお友達
・コスパとか考えなくてもIntuosくらいポケットマネーで買える

あの価格差の45%くらいは詳細設定の多彩さと、ショートカットキーによる作業効率の良さであるというのが私の結論です。

ついでに、業務で使う場合であっても、
ショートカット使わないし、詳細設定もしない、筆圧も低いという人は
Intuos使っても価格差分損をするだけなので、BAMBOOをおすすめする。
(3/26追記)BAMBOO使い続けて二日目、長時間使用によって手が痛くなってきた。
どうもペンが長時間使用に備えて手への負担を軽減する形になっていないことと、
紙っぽい描き味を追求した入力面がペンとの摩擦が多いことにより線を引くのに
Intuos4より若干力が必要なのとで披露がたまるのが早いようだ。
そんなわけで、一日中イラストを描くならIntuosのほうがいいと考えを改める。
数時間使用するだけならこの違いは気にしなくていいだろう。
私は筆圧が高く、手にかかる負荷も高いからなおさらそう感じるのかもしれない。

どこかの誰かの参考になれば幸い。